スポーツ局ニュース

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ニュース「本学OB、パラリンピック陸上競技メダリスト山本篤さんによる人生を豊かにするイベント『出張!ギソクの図書館』が開催されました」をアップいたしました。


2018年11月18日(日)、2年後に迫る東京パラリンピックに向けて関西からも次世代を担うパラアスリートの人材発掘、支援をしていこうと、本学にて『出張! ギソクの図書館』イベントが開催されました。

一般社団法人パラアスリートが主催する本イベントは、本学OBであり、現在も本学グランドを練習拠点にしている陸上100メートル、走り幅跳びのパラアスリートで北京・リオパラリンピックの陸上競技メダリスト、同法人理事の山本篤さんが実施しました。

参加者とハイタッチする山本篤選手(左)

ギソクの図書館は、競技用ギソク(板バネ)が展示されており、図書館のように好きな物を選んで手に取り、走る体験のできる施設として、昨年10月東京にオープン。

今回の本学での出張イベント開催は「板バネが高価なため、走ることをはじめから諦めてしまっている人たちは多いはず」「全国の人たちへ手にとる機会をつくりたい」という山本さんの願いを本学が協力するという形で実現しました。

参加者は、すでに自前の板バネを持ち今春から陸上競技大会にも出場し始めているという経験者から、全く手にしたことがなかったという初心者まで小学6年生から20代の男女5名。今回は、経験も年代もバラバラな参加者全員が、板バネで100mを全力疾走できるようになることを目標にイベントは始まりました。


参加者全員で競技用義足を着用

板バネは、日常生活用の義足に比べ膝関節の部分がよりスムーズに動き、またバネのように跳ねる反発力が強いのが特徴。そのため慣れないうちはうまくバランスがとれずに転んでしまったり、自分の足の方に重心をかけてしまいがちになるため、山本さんは、ぎこちなく歩く参加者一人一人の横について一緒に歩きながら「ギソクに体重を乗せる時間を長くして」、「膝は開けず正面に向けて歩いて」、「もっと太ももを振り上げて、足首も上げて」など丁寧にアドバイスを送っていました。

また、山本さんが日頃行っているトレーニングや山本さんの専属トレーナーを務める安宅優輔さんによる個別トレーニングも紹介されました。

義足をつけて歩く、走るときは、自然と自分の足に頼る動作となりますが、安宅さんによれば、板バネを助力にする方がより良いパフォーマンスができるそうで、その点を考慮した体の使い方を伝えていました。


手本を見せながら丁寧にレクチャーする山本さん(右)

トレーニング体験では主に体幹を鍛えるトレーニングに挑戦

個々の体力レベルに合わせてトレーニング指導も実施

板バネが体に馴染んできたところで陸上フィールドへ移動。ここでも約2時間、さまざまな動きを取り入れたトレーニングをこなしていきました。最後は100メートル走のタイム測定。「がんばれ!」「あと少し!」などの声が聞かれる中、全員がゴールテープを駆け抜けました。

今春からパラ陸上の100メートルと走り幅跳びの公式戦デビューを果たしたという稲垣克明さんは、足の運び方が正しいかどうかを見てもらいたくて参加。この日、16秒02という自己ベストをマークしました。「13秒台までタイムを上げて東京パラリンピックの日本代表を狙いたいです」と話していました。

家族全員で参加した中学一年生の上垣茉彩さんは、板バネを付けたのは今日が初めて。「丁寧に教えてもらえ、すぐに慣れました。走れてすごく楽しかったです」と感想を述べていました。

イベントを終え山本さんは「手探りでしたが、とにかくやれて良かった。まずは板バネを使うと走れることを知って欲しいので、こういった機会をもっと増やしていきたいです」と抱負を語っていました。

短距離競技の練習をこなしながら板バネの感覚をつかむ参加者

参加者と何度も並走しながらアドバイスする山本さん(右)

板バネ初心者も最後は思い切り100メートルを走るまでに

また、今回のイベントでは、本学でバイオメカニズムを研究している石川昌紀教授とゼミ学生たちが、イベント参加者の筋肉の長さや太さ、足圧などのデータ収集を行いました。

個人によって足の切断部分が異なるため、筋肉の長さや形状が違います。それらを計測することでどのような動きが得意な筋肉であるか、偏平足である、足のアーチが崩れている、といった特徴が把握でき、細かく分析することができます。現在はデータ収集に重きを置いていますが、データを数多く蓄積していくことで、今後、アスリートたちのトレーニングや練習メニューに活用していくことが期待されます。

イベントを終えた参加者たちからは「体を動かし打ち込める物を探していたので、また参加したい」といった声が聞かれ、本学にとってもパラスポーツ普及の拠点づくりに向け参考になることが多く、非常に有意義な機会となりました。

本学学生たちはエコーで参加者の筋肉の状態を見てデータを収集

計測したデータは測定後に参加者それぞれに渡された

最後は参加者、スタッフ全員で記念撮影