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2018.06.11

「日本版NCAAとは〜大阪体育大学の取り組み」 と題し浦久保和哉 スポーツ局統括ディレクターが登壇

登壇中の浦久保和哉 スポーツ局統括ディレクター

登壇中の浦久保和哉 スポーツ局統括ディレクター

 

6月6日(水)、スポーツメーカー・ミズノ株式会社による「’19 年春夏 新製品発表展示会」がTRC・東京流通センター(東京都大田区平和島)内第4会議室にて開催されました。この中で本学の浦久保和哉 スポーツ局統括ディレクターが講演のため登壇しました。

講演時間90分の中で、まずは本学の概要と取り組みを紹介。「不断の努力により智・徳・体を修め社会に奉仕する」という建学の精神と共に、スポーツの専門大学でありつつ、学生の人間力向上に対する教育に注力してきたこと、さらに今後は、2015年に策定した大体大ビジョン2024におけるスポーツと健康づくりの「拠点づくり」が重要であるとして、本学が地域と共に歩んでいく姿勢であることを語りました。

その一貫として、この春のスポーツ局開局にあたり、3月22日にミズノ株式会社との連携協定を締結したことで、新しい大体大のブランドづくりをしていくことにも触れました。

本題である日本版NCAAについて浦久保ディレクターは、日本版NCAAの創設に当たった経緯として、先のニュースで賑わわせていた日大アメフト部の問題を例に挙げ「そもそもNCAAとは、アメリカにおいて学生スポーツ—-特にアメリカンフットボールでの死亡事故を含む相次いだ事故を受け、これを当時のルーズベルト大統領が国家問題として改革したことにはじまる。国として学生アスリートとそのスポーツの活動環境を守り、整備していこうと1900年代に設立されたもの。日本でもその準備の最中、あのような問題が起きてしまった」と。今こそ、各大学が「スポーツの価値」を改めて考えて、そのために必要な制度設計について真剣に議論する必要性があることを強調しました。

また、日本版NCAAとはどのようなものであるかという概略について「フェアプレーを謳う以上、レベルや環境面での配慮は必至。大学の経営規模や教育方針によって異なる、規模・種目数・奨学金といった差がある上、大会の開催が都市圏に集中していることによる遠征の公平性に対してもフェアな形で競技が実行できることも改善の焦点となっている。その問題に対しては10の『カンファレンス』という地域リーグを設定。それをさらに細分化し、競技ごとにディビジョンを設けることが決まっていると解説しました。また日本ではまだまだ馴染みがないシーズン制の可能性についても触れました。

日本版NCAAが設立される大阪体育大学としての期待値は、学生アスリートの安全性や将来のキャリアに対する安心はもとより、スポーツによる地域経済の活性化にもつながるといったことにも話は及びます。「大体大には、有望なアスリートを選出した『大体大DASH』というプロジェクトがある。学生アスリートの活躍による地域への貢献は、選手への憧れが応援したいという熱意に代わり、それがやがて共感を生み、やがて地域への愛着という形で循環すると考えている。よって本学は、校舎がある大阪府熊取町と協働協定を締結し、地域と共にアスリートの将来を共創していく事業の企画、実施を協議している。」と語りました。大学スポーツの価値を高めていくためにも、「地域の活性化への貢献や地域からの好感や理解をなくして道はない」という考えから、体育大学として自らスポーツを我が国の成長産業への転換を促していくチャンスだとも付け加えます。

現在のスポーツを支える背景には、無償による協力やボランティア活動が当然とされてきた我が国おいて、もっと多くの方からのスポーツの価値や事業性への理解や賛同を得て、スポーツのさらなる発展と経済成長を促すためには、確立された持続的なビジネスモデルが必要であるとし、命題だとも訴えました。

今年度中に開設される日本版NCAA。スポーツ庁より認定された8大学(青山学院大学、大阪体育大学、鹿屋体育大学、順天堂大学、筑波大学、日本体育大学、立命館大学、早稲田大学、以上、五十音順)に名を連ねる本学においても、大学スポーツの将来を担う責務を感じつつ、本学独自のスポーツ推進の在り方に向き合っていくことを明言しました。

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